小獅子(こじし)

小獅子(こじし)

Camellia ‘Kojishi’

花は紅色地に星斑、千重咲き、極小輪。3~4月に咲く。葉は楕円、波曲、小型。樹勢は矮性、枝細く弱い。来歴は、旧男爵家より木村(野々市市)に移った原木が1980年代に枯死、「日本の椿」(1969)に掲載、命名者不詳とある。『最新日本ツバキ図鑑』より。

花について、『石川の椿名鑑』には、紅、千重咲き、小、春咲品種、とある。

小獅子20210314
小獅子20210314
小獅子20210312_1
小獅子20210312

あまり見かけない品種ですが、野々市に住む椿友から頂きました。いただいて2年、2つ付いた蕾の一つは夏期に落ちてしまい、残った1つが3月半ばに花開きました。うれしかったので観察した記録をつけておきます。

咲いた花は紅色で外側の弁にすこし白斑がでている。千重咲きから烈弁咲き、直径4cmほどの極小輪。花全体は多数の紅色の花弁が立ち上がり重なり合って半球状に咲く。花弁は外側は丸みを帯びているが、中心に向かうほど小さく細長くなる。外側から中程の花弁は先進むと反り返り、所々に白斑が入る。中程から中心にかけての花弁は立ち上がっていて、やや中折れしていてるものもある。中心付近の小さな花弁の尖った弁端は白くなっているものもある。花芯はごく小さな白い花弁が重なり合いまとまっている。葉は小型、やや細長い楕円形で依れている。

花は小振りながら、複雑な花容で存在感があり、非常に見応えがある椿です。

<記事:2021-3-12、2022-8-4更新>

<引用・参考文献>
・最新 日本ツバキ図鑑,日本ツバキ協会,成文堂新光社,2010
石川の椿銘鑑,石川つばき同好会編集,昭和60年(1985)

<撮影場所>
・東京都品川区

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