椿という文化

「巨勢山の つらつら椿 つらつらに 見つつ偲はな 巨勢の春野を」
そう坂門人足に歌われた万葉の時代から、椿は人々の心に語りかける何かをもつ木でした。
この国の風土に深く根ざした椿は、私たちの生活に溶け込んで多様な文化を形成しました。華麗な園芸品種の花々、椿油、各地にある古木や名椿、椿にまつわる逸話や伝承、茶の湯で愛される花、絵画や工芸品のモチーフ、椿の炭・・・。
椿は今、世界中で愛される花となりましたが、ここ日本では、椿という文化をより深くより広く体験できます。
美しく、奥深く、多彩で魅力的な椿の世界。
これからも椿という文化を楽しみたいと思っています。

Hyppolyte thoby

Hyppolyte thoby20190404_
Hyppolyte thoby20190404_

フランスでいただきました。

大社紫(たいしゃむらさき)

Camellia japonica ‘Taisha-murasaki’

花:紫紅色、一重、筒咲き、筒しべ、中〜大輪。2〜4月頃咲く。花糸は白い。
葉:長楕円形、中形
樹:立性、強い

大社紫20180317_1
大社紫20180317_1

原木は出雲市(旧)の長廻邸にある幹回り60cmの古木で、1973年に井原氏と祝部氏が発見。産地は島根。

参考:最新日本ツバキ図鑑,日本ツバキ協会,2010

白髪山(しらがやま)

Camellia japonica ‘shiragayama’

花:白、一重、ラッパ咲き、筒しべ、小〜中輪。1〜3月頃咲く。
葉:楕円形、小〜中形。
樹:立性、強い。

白髪山20181229_1
白髪山20181229_1

島根県松江市の北にある白鹿山(しらがやま)のヤブツバキから選抜した品種で、1987年山陰カメリアンクラブが命名した。産地は島根。白鹿山は白髪山とも書かれ、標高154mの低山ですが、戦国時代には毛利と尼子の激戦が繰り広げられた地元の歴史に縁に深い山です。

参考:
最新日本ツバキ図鑑,日本ツバキ協会,2010
かの山,http://kano.0-sam.com/Yama/log/eid308.html,2010

大山白(だいせんはく)

Camellia japonica ‘Daisenhaku’

花:白、一重、筒咲き、しべは先細りの筒しべ。小輪。12〜4月頃咲く。
葉:楕円形、中形
樹:立性、強い

大山白20181229_1
大山白20181229_1

しっかりした花弁は桜の花弁のような形で、先にも切れ込みが入っている。

原木は布部ダムの山奥にあり、地元で川奥の椿と呼ばれる樹齢100年以上の古木とされる。氷見久寿氏が1970頃に発表。産地は島根。

参考:最新日本ツバキ図鑑,日本ツバキ協会,2010

白孔雀(しろくじゃく)

Camellia japonica ‘Shiro-kujyoku’

花:白、八重、抱え咲き、大輪。蕊は不完全花糸は白い。2〜5月頃咲く。
葉:皮針形、中〜大形
樹:横張り性で枝はやや垂れる

白孔雀20190316
白孔雀20190316

孔雀椿と都鳥の交配種の後代。作出・命名は野口真一、2006年発表。

我が家で白孔雀が初めて咲いた朝、その透き通るような花弁の美しさに見とれました。重なり合う白い花弁は柔らかく広がり、大輪の花でありながら圧迫はなく、エレガントな姿。まだ幼樹で枝が垂れていないので、花も上を向いて咲いていますが、いつか育って枝垂れた枝の先に咲く日を思い描いています。

参考:最新日本ツバキ図鑑,日本ツバキ協会,2010

玉霞(たまがすみ)

Camellia japonica ‘Tama-gasumi’

花:白〜淡桃色地に吹掛け絞り、紅色の咲く。一重、抱え咲き、小〜中輪。11〜4月頃咲く。花糸は白い。
葉:楕円形、やや薄い、中形
樹:立性、強い、叢生

雄しべを花弁が抱え咲きが特徴的な玉霞。特に咲ききらないうちは、両手のひらでふんわりと包み込むような姿が愛らしい。名前も情緒があって素敵です。

親不明の園芸品種からの自然実生で、桜木春一が1968年に命名・発表。産地は愛知。

参考:最新日本ツバキ図鑑,日本ツバキ協会,2010