コモ湖を望む植物園の椿
ICS会議2023年イタリア大会の最後の訪問は、スイスからイタリアに戻って、コモ湖に面したトレメッツォのヴィラ・カルロッタ(Villa Carlotta )です。17世紀に建てられたヴィラは現在は博物館になっており、植物園とともに見学できます。
植物園は約8ヘクタールあり、椿は博物館近くに多く植えられていました。地図に記された薄いピンク色がツバキの植栽場所です。パンフレットには、椿が古くから植えられ、様々な品種があり中にはとても珍しい品種もあると書かれています。
入り口から中に入るとすぐに白い八重咲の椿の花が出迎えてくれました。
背の高い生垣(椿など)
中庭に進むと背の高い生垣が通路に沿って仕立てられています。椿でない木もありますが椿も多く使われています。四角に整えるために剪定されていない分、花もよく咲いており、濃い緑の壁に花が咲いているかのようです。
カルロッタ邸の裏手に回るとここにも背の高いツバキの生垣がありました。こちらは前庭よりさらに大きく、邸と同じくらいの高さにまで茂っています。
裏の生垣のツバキの花
邸宅の裏手に回る時、西側を通ると、まだ植えたてでしっくり庭に馴染んでいないツバキの一群があり不思議に思っていました。後で公式サイトを見ると、2019年に裏手のツバキの生垣に繋がる建物の西側にツバキの品種を植えたことが書いてあり、この区画の椿のことではないかと思われます。植栽する品種はイタリア椿協会のアンドレア・コルネオ(Andrea Corneo)会長によって約 15 品種が選択されたそうです。
ヴィラ・カルロッタの公式サイトには椿に言及したページがあり、イタリアの椿の歴史などにも触れています。読み物として面白いページです。(https://www.villacarlotta.it/en/garden/camellias/)
ここで見ることのできたツバキ
2023年3月
もう少し庭を散歩
邸宅のテラスに出ると、中央の噴水を中心に背の高い常緑樹の生垣が広がる幾何学的に構成された庭が一望できます。その先にはコモ湖が広がり、庭越しに湖を見ていると開放的な気分になります。屋敷の高みから庭を眺めると緑濃く整えられた硬い表情の庭の印象ですが、庭に降りて散策をしていると、椿をはじめとした様々な花や草が目を楽しませてくれるのでした。
中でも低いテラスには柑橘類の棚(パーゴラ)があり、様々なレモンの品種がトンネルを作っていました。近づくといくらか実った果実や葉から柑橘類の香りがするので、何度も下を通って香りの散歩をしました。花の頃であればさらに香りが、果実の実る頃であれば黄色の実が目を楽しませてくれることでしょう。
ミュージアムショップではお土産に美しい植物画のグリーティングカードを買いました。
訪問:2003年3月31日(金)雨
参考:
- Villa Carlotta H P:https://www.villacarlotta.it/en/garden/camellias/
- I C S大会イタリア会議公式案内(A guide to the ICS 2023 Congress)https://internationalcamellia.org/public/downloads/nLfKj/Splendor%20of%20Italian%20Camellias.pdf