【椿の名所】松前町椿園と松前神社の椿

【椿の名所】松前町椿園と松前神社の椿

北海道はもともとツバキの自生地域ではありませんが、露地でツバキが全く育たないということではありません。それどころか古木、椿園もあります。松前町椿園もその一つ。桜で有名な松前公園の奥まった一角に、ひっそりと十数種類の椿100本余りからなる日本最北の路地植えの椿園があります。

北海道の露地植えの椿園

日本のツバキの自生地域は、北海道を除く日本各地と言われるので、初めて北海道に路地栽培の椿園があると知った時は驚きました。同じ北海道でも内陸とちがい津軽暖流や対馬暖流の影響を受ける江差、松前、木古内あたりは露地で生きる椿が確認されています。また積丹半島西岸古宇郡泊村には明治30年(1897)に本州の椿を土産に持ち帰り植えたところ根付き、その後も移植を重ねて、平成4年(1992)に同じ積丹半島東海岸の余市に移植して今も120歳を誇る椿木が毎年花を咲かせているとの記事に紹介されていました。(Japan Camellia No.111,2019)。海岸沿いであれば案外に寒さに強いものだと感心します。

さて、松前の椿は松前公園の一角に露地で植えられた椿園です。松前公園は、北海道ただ一つの城であった松前城と寺町、松前藩屋敷を含む広い公園で、250種1万本の桜の名所でもあります。桜とともに椿もゴールデンウィーク頃には盛りを迎えます。

訪問したのは5月も終わりかけの頃でしたので、花はほとんど終わっていました。残り花を見ていると私の住む関東の4月後半の椿の時期の終わりを思い出します。一月余り遅れた北国の春の名残の椿花に厳しい冬が想像され、極寒の地に生きる椿達にエールを送りたい気持ちになりました。

松前神社の古木椿

椿園を出て公園に隣接する松前神社に回りました。松前藩の先祖、武田信広を祀る神社です。明治14年に造られ、現在の社殿は大正12年に再建されたものです。

境内に椿の古木が見えました。樹高は7〜8mくらいでしょうか。花はほぼ終わっていますが、咲き残った花は深い赤色で、花盛りの華やかさが想像されました。

<訪問日:2019年5月24日曇り>

データベース

【名称】松前町椿園
【コレクション】  13種類・約100本
【花期】 4月中旬~5月中旬
【所在】〒049-1511  北海道松前郡松前町松城松前公園内
【備考】
・年中無休、入園料無料
・問合せ:0139-42-2275(松前町役場 商工観光課
【公式サイト】

アクセス

  • JR木古内駅前から函館バス松前行きで1時間30分、「松城バス停」下車、徒歩7分。

参考文献

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