【椿の名所】宝鏡寺の村娘

【椿の名所】宝鏡寺の村娘

人形の寺として知られる臨済宗宝鏡寺は春秋二回だけ公開されます。春の公開時には、うまくすれば雛人形と共に椿も見られます。境内の著名な椿は三つ。月光、熊谷、村娘。

村娘は中庭に、桜と楓とともにありました。中庭の佇まいを味わいつつ、まだわずかにしか咲いていない木を眺めていると、「この椿は全国にある村娘の原木なんですよ」と係の方に教えられました。

村娘の花は、紅色の花弁が八重に咲く、小~中輪で散り性。開花は4月頃。蕊は貧弱な筒蕊もしくは散蕊で、先端に旗弁が2~3枚付くことが多い。葉は長楕円の小~中形で、やや中折れ。木は立ち性で樹勢は強い。

境内は撮影NGなので、花を見るならば直接足を運ぶしかありません。それが叶わないのなら、京都の写真家水野克比古氏の写真による葉書と、氏の写真集によって雰囲気の片鱗を味わうことができます。

水野克比古氏の写真集と葉書

宝鏡寺は幕末の公武合体のために徳川家茂に降嫁した和宮親子(ちかこ)内親王(1846~1877)など皇族ゆかりの由緒ある寺院です。大きな紅葉もある手入れの行き届いた美しい庭は魅力的で何度でも足を運びたくな場所です。

宝鏡寺 門

<訪問日:2017年3月25日晴れ>

データベース

【名称】宝鏡寺の月光、熊谷、村娘
【木のサイズ・形状】樹高:4.5m、根元周囲:36.5cm
【花、葉】花形:八重咲、花径:小~中輪、花高:4.5cm、花色:紅色、葉:長楕円、中~小形、やや中折れ
【花期】4月
【所在】京都市上京区寺之内通堀川東入ル百々町547

アクセス

京都市バス9、12系統「堀川寺ノ内」下車、徒歩すぐ。
【備考】公式サイト:http://www.hokyoji.net/
拝観は毎年春と秋に一般公開のみ。10:00~16:00(受付15:30)問合せ TEL:075-451-1550

引用・参考資料

  • 最新日本ツバキ図鑑,日本ツバキ協会,成文堂新光社,2010
  • 宝鏡寺パンフレット
  • 現代椿集,日本ツバキ協会,講談社,1972

椿旅カテゴリの最新記事