【椿の名所】道後公園の「伊予つばきの小径」

【椿の名所】道後公園の「伊予つばきの小径」

道後温泉に程近い道後公園は、中世伊予の守護・河野氏の居城、湯築城があった場所。湯築城跡は国指定文化財として保存され、敷地は県立公園となっています。その市民の憩いの場所に伊予を代表する名椿の数々を接木で活着させる活動が、伊予つばき協会による「伊予つばきの小径」つくりプロジェクトです。

伊予つばきの小径つくりプロジェクト

「伊予つばき」とは愛媛県で独自に生まれた椿の品種群です。伊予松山では昔から椿の育種が盛んで、1990年に椿の愛好家団体である伊予つばき協会が80種をまとめて「伊予つばき」として登録しました。その後新花も増えてゆき、今では100種類を優に超える「伊予つばき」があります。

道後公園の散策路にはヤブツバキが多く自生していますが、このヤブツバキの幹を台木に、伊予つばきの品種を接木しているのが、伊予つばきの小径つくりプロジェクトです。伊予つばき協会会員の手による活動で、2022年で7年目とのことなので2016年から始まったようです。

伊予つばき20選

伊予つばき協会は、伊予の地で生まれ育まれてきた名椿百数十種類から、特に20種を選び出し「伊予つばき20選」と呼んでいます。(「伊予つばき」より)

  • 石鎚(いしづち):抱え咲樹、大輪
  • 伊予侘芯(いよわびしん):猪口咲き、極小輪
  • 大洲天が下(おおずあまがした):ラッパ咲き、小輪
  • 唐川(からかわ):筒咲き、小輪
  • 菅呼子鳥(かんよぶこどり):ラッパ咲き、小輪
  • 志々満(ししま):ラッパ咲き、小輪
  • 紫泉(しせん):筒咲き、小輪
  • 寂玲(じゃくれい):ラッパ咲き、小輪
  • 酒天童子(しゅてんどうじ):蓮華咲樹、大輪
  • 白羽衣(しろはごろも):蓮華咲樹、中輪
  • 宝川(たからがわ):筒咲き、小輪
  • 鶴姫(つるひめ):ラッパ咲き、小輪
  • 篤山椿(とくざんつばき):ラッパ咲き、小輪
  • 熟田津(にきたつ):ラッパ咲き、小輪
  • 白眉(はくび):筒咲き、小輪
  • 肱川紅(ひじかわくれない):ラッパ咲き、小輪
  • 広瀬小藪(ひろせこやぶ):筒咲き、極小輪
  • 御島(みしま):筒咲き、小輪
  • 微笑(みしょう):筒咲き、小輪
  • 雅(みやび):爪折れ。大輪
  • 見ることのできたツバキ・サザンカ

12月

<2023/12/5>

初嵐

2月

<2024/2/19>

道後公園(湯築城址)

道後公園の場所は千数百年前に聖徳太子の碑文が建てられた伊佐庭岡とされます。奈良時代から明治時代まで使われていた湯釜が展示されていて見ることができます。

中世には伊予国守護・河野氏が湯築城を築きますが、豊臣氏に滅ぼされ、城の礎石も松山城建設に運び出されました。昭和の発掘調査で外堀と内堀の二重の堀と二重の土塁を巡らせた平山城であることがわかりました。良好な状態の遺構を地域の伝統技法や工法で復元した野外展示や家臣団住居を再現した展示、資料館もあり、見応えのある歴史公園です。国指定史跡、日本100名城、日本の歴史公園100選にも選定されています。

<訪問日:2023年12月5日 曇り ,2024年2月19日 雨>

データベース

【名称】道後公園(湯築城跡)

【コレクション】 約100種?

【花期】2〜4月頃

【所在】〒790-0857 愛媛県松山市道後公園1

【備考】

・営業時間:公園は24時間入ることができる。展示施設は9:00~17:00、ともに無料

・問合せ:089-941-1480(愛媛県立道後公園指定管理者)、Email: info@dogokouen.jp

【公式サイト】http://www.dogokouen.jp/

 

アクセス

・市内電車「道後公園駅」下車、すぐ目の前

 

参考文献

・特別プロジェクトの途中経過,山口聰,伊予つばき第41号,伊予つばき協会,2022

・道後公園「伊予つばきの小径作り」について,相原誠二,伊予つばき第40号,伊予つばき協会,2021

・“伊予つばき”秀花選定の歴史,田島明典,椿 第37号,日本ツバキ協会,1998

・国史跡 道後公園湯築城跡:https://dogokouen.jp/yuzukijoato/

・最新日本のツバキ図鑑,日本ツバキ協会編,誠文堂新光社,2010

 

 

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