サザンカが花盛りとなる11月半ば、日本ツバキ協会の鑑賞会に参加して静岡県浜松市の「はままつフラワーパーク」を訪ねました。園内地図をみるとほぼ中央に「椿園」の所在が記されてますが、サザンカの案内はほとんどありません。ですが、知る人ぞ知るこの場所はサザンカの名所です。
サザンカは園の西側、外側の園路沿いに植えられています。正面ゲートからゆくと左手の梅林の続く坂を降りた先から外側の道沿いに、そして八重桜並木の下に、さらに水鳥の池からロウバイ園西あたりです。
「 はままつフラワーパーク」のサザンカ並木の歴史は、30年前に東京農工大学の協力を得て150種類のさざんかを穂木で導入されたことに始まります。今では育成して現在は高さ3〜5メートルまでに育ち、見事なサザンカ並木となっています。
今回はフラワーパークの管理者T氏の案内と、30年前に大学から園にサザンカの穂木を送りこのサザンカコレクションの基礎を作られた日本ツバキ協会箱田直紀会長の解説による贅沢な見学会でした。
桜並木の奥側に続くサザンカの並木。秋冬も春も花が咲く道。
絞の入り方が綺麗です。杢模様というところにグッときました。
また、園内の椿園には100品種以上が植栽され、珍しい原種等も見学できます。椿園の見頃はまだ先で今回は見られませんでしたが、代わりにこの時期は原種ツバキが見られます。いずれも露地で育っています。
クラプネリアーナ
最も見応えがある原種ツバキは、椿園の一角の斜面にあるクラプネリアーナ( camellia crapnelliana )の高木です。赤い樹皮が特徴的で、触ると少し粉っぽくて指先につきます。ちょうど花盛りを迎えていました。実も成っていました。
幹回りは40cm以上ありそうですし、高さは十数メートルくらいでしょうか。これほど大きなクラプネリアーナは日本国内に他にないのではないか、とのことでした。貴重なコレクションとしてこれからも大切にしてほしいです。
他にもベトナムユチャやグランサム椿も花盛りです。
ここにはもうひとつ貴重な原種ツバキのコレクションがあります。椿愛好家竹下康雄氏寄贈による台湾産原種ツバキです。こちらも特別に見せていただきました。急斜面の高木の下にひっそりと佇む貴重な原種ツバキたち。日当たりが悪いなかでも少しだけ花をつけていました。
特別展示として大物盆栽展開催中でした。入り口にも、中に入ってすぐの正面にも、巨大な鉢植えの盆栽が展示されています。2016年の伊勢志摩サミットで飾られた大盆栽なども。2019年3月21日から2020年6月30日まで。
<訪問日:2019年11月16日(土)晴天>
データベース
【名称】 はままつフラワーパーク
【花期】11月にサザンカが見頃、2,3月にツバキが見頃
【所在】 〒431-1209 静岡県浜松市西区舘山寺町 (かんざんじちょう) 195番地 【備考】
開館時間や休日: 開園時間 9:00~16:30(季節によって変わる)
休園日 :12月29日~31日、 入園料:500円
問合先: TEL.053-487-0511
公式サイト: http://e-flowerpark.com/
アクセス
- 浜松駅下車北口バスターミナル1番乗り場より、「舘山寺温泉行き」乗車、 フラワーパーク」バス停下車 (約40分)、560円。 バスは10分~15分間隔で運行。
- 東名「舘山寺スマートインター」より、約5分。