ブリヂストン創業者・石橋正二郎氏が久留米市に寄贈した石橋文化センターはバラやツバキなど季節の花々が咲く庭園、美術館、音楽ホール、図書館などの総合文化施設でなる市民の憩いの場です。ツバキの産地として発展した久留米には、久留米が作出した「久留米つばき」やその交配種としてさまざまなツバキが導入されました。石橋文化センターつばき園にはこうした多種多様なツバキ約260品種1500本が5つのゾーンに分けて植栽されています。国際優秀ツバキ園でもあります。
石橋文化センターつばき園の成り立ち
石橋文化センターの正門を入り、まっすぐ進んだ最奥、坂本繁二郎級アトリエのあるDエリアにつばき園は広がっています。
始まりは1972年に日本庭園を造園した際、久留米椿研究会から苗木を寄贈されたことでした。その後1993年には本格的につばき園として整備され、久留米つばきを中心に約120品種のツバキが植栽されました。2008年から2009年にかけて①久留米つばき、②日本のつばき、③世界のつばき、④香りのつばき、⑤園芸品種実生のつばき、の5つの区域に分けた再整備が行われ、約130品種が追加植栽されました。
石橋文化センターつばき園は年月をかけて次第に拡張、整備されて、約5500平方メートルになりました。2010年に国際ツバキ会議久留米大会が開催されるに伴い国際ツバキ協会により国際優秀ツバキ園に認定され、2020年に再認定されました。
2010年の国際大会時に見学してから10年経った2020年に再訪問すると、椿園の木々はしっくり落ち着いた風情で花を咲かせていました。2024年には更に枝を広げてかなり茂っていて、案内してくれた園芸家のAさんはもう少し剪定した方がいいと、今にもハサミを取り出しそうな様子です。地元の園芸家たちが作り育んだ椿園への愛情を感じました。
見ることのできたツバキ・サザンカ
11月
<2020/11/8>
<2024/11/12>
久留米つばきフェア
毎年3月には、石橋文化センター、久留米つばき園、草野地区の3つの会場で久留米の椿の祭典ともいうべき「久留米つばきフェア」が開催されます。これは2010年の国際ツバキ会議久留米大会を契機に始まったものです。
椿の花の最盛期に花を愛で、さまざまな屋台、マルシェやキッチンカー、苗木配布や即売会、コンサート、ガイドウォークなど盛りだくさんのプログラムで賑わいます。
<訪問日:2010年3月21日 晴れ、2020年11月8日 晴れ、2024年11月12日 晴れ>
データベース
【名称】石橋文化センターつばき園
【コレクション】約260品種、約1500本
【花期】見頃は3月上旬〜下旬
【所在】〒839-0862 福岡県久留米市野中町1015
【備考】
・営業時間:9:00~17:00( 5月1日から9月30日は19:00)、入園料無料
・定休日:庭園は年中無休、施設は月曜、祝日・振替休日の場合は翌日
・問合せ:TEL: 0942-33-2271
【公式サイト】https://www.ishibashi-bunka.jp/
アクセス
・JR久留米駅より西鉄バスで15分、「文化センター前」下車。
(西鉄バス 1・9・20・22・25系統。主な行き先は、「吉井」「田主丸」「信愛女学院」など。文化センター経由をご確認ください。)
参考文献
・石橋文化センターつばき園パンフレット、2010
・石橋文化センター公式サイト:https://www.ishibashi-bunka.jp/