【椿の名所】ヴィラ・マイオーニ(Villa Maioni)のカメリア図書館(Biblioteca Della Camelia)

椿の生きた図書館 Biblioteca Della Camelia

国際ツバキ会議2023イタリア大会の本会議、マッジョーレ湖畔の町バヴェーノで、3月26日からの見学ではさらにこの土地で椿が根付いた存在だと感じることになりました。

朝一番の訪問は、マッジョーレ劇場に隣接したヴィラ・マイオーニ(Villa Maioni)で、その庭に作られつつある椿の生きた図書館(Biblioteca Della Camelia)の開会式の為でした。

敷地内のネオ・バロック様式の建物は1925年に実業家が建てたもので、現在は市民図書館です。3万平方メートルの庭はところどころに針葉樹の高木と茂みがある他は開かれていて、小路が配されています。この場所にイタリア椿協会によって提案されたのが、保全とカタログ化を目的にツバキを植栽する「ツバキ図書館(Biblioteca Della Camelia)」です。広々とした庭のツバキは、まるでそれ自体が図書館の蔵書であるように、起源と類型によって分類され、フィールドに配置されています。

このツバキ公園はピエロ・ヒルブランドという人物の功績を讃えて捧げられたもので、開会式の挨拶では幾人もの口から彼の名前が出てきました。

ヴァルベニアのツバキ界の功労者ピエロ・ヒルブランド氏

ピエロ・ヒルブランド(Piero Hillebrand ,1929-2019)は、1800 年代の終わりから ヴァルベニアで著名な花の生産者一族の子孫です。彼はマッジョーレ湖で約2世紀にわたって栽培されてきたツバキの古典品種3000種を調べ、分類整理して、資料が散失してしまうのを防ぎました。そのおかげで19 世紀にフラテッリ・ロヴェッリによって生み出されたツバキ 「グロリア ・デル・ヴェルバーノ」など、素晴らしい品種を忘却から救ったそうです。(第55回ヴェルバニア市椿展パンフレットより)

開館式は国際ツバキ協会の大会行事として行われ、市長、モッタ会長、イタリア椿協会のアンドレア・コルネオ氏などの挨拶がありました。その後に庭を散策しました。いずれの木もかなり間隔を離して植えられています。大きく成長することを見込んでいるのか、あるいは庭園としての鑑賞よりも、「図書館」として資料性を重視している為かもしれません。

カメリア図書館の分類

ヴィラ・マイオーニの「カメリア図書館 ピエロ・ヒルブランド」は、テーマに沿ってAからFまでの6区画に区切られており、さらに各区画内もテーマに沿って細かく分類されています。説明板(写真)をGoogle翻訳してみると、以下のようになりました。

ヴィラ・マイオーニ植栽図

A - 古代の栽培品種
A1 - マッジョーレ湖の古代品種
A2 - トスカーナの古代品種
A3 - 古代ヨーロッパの品種
A4 - 肥後の古代品種
A5 - 古代 P ヒルブランド品種

B - BIZZARRIE FLOREALI(フラワービザリー)
B1 - 斑入りの花の品種
B2 - 線毛のある花の品種
B3 - 色とりどりの花が咲く品種
B4 - 装飾剥離のある品種
B5 - オレンジ色の花が咲く品種

C - 植物の種
C1 - ツバキ ササナウア品種
C2 - 野生植物種
C3 - ツバキの品種
C4 - 新しいツバキツツジ交配種

D - 種間雑種
D1 - ウィリアムシーハイブリッド
D2 - ツバキの交雑種
D3 - 香りのよい花を持つ交雑種
D4 - その他の種間雑種

E - 世界の栽培品種
E1 - 日本の品種
E2 - アメリカの品種
E3 - ヌッチオ品種
E4 - オーストラリアおよびニュージーランドの品種

F - 花の形
F1 - セモリナ粉の花の品種
F2 - 半八重咲き品種
F3 - 八重の重なり花の品種
F4 - イソギンチャクの花の品種
F5 - 牡丹の花を咲かせる品種

それぞれの区画にはさらに詳しい植栽図が設置されています。図には個別の木の情報が表にまとめられており、I D、学名、園芸品種の名称、年(品種登録年か育種された年?)、国名が記されています。もちろんそれぞれの木には品種名版が備えられ、Q Rコードで情報が入手できます。

まさに「ツバキ図書館」の名に相応しい徹底した情報提供の仕組みです。この素晴らしい場所を作ったのは、イタリア椿協会(Società Italiana delle Camelia)、ヴェルバニアガーデンクラブ(Verbania Garden Club)、ヴェルバニア市(Città di Verbania)です。

ここで見ることのできたツバキ

<2023年3月>

訪問:2023年3月26日(日)晴れ

参考: