【椿の名所】笠戸島の椿ロードと椿林

【椿の名所】笠戸島の椿ロードと椿林

「椿の名所を作ろう」という友人同士が始めた植栽活動は6年を経て350本の椿が続く道になりました。この道はまだまだこれから育つ道、いつか椿は大きく育ち、さまざまな椿の花を咲かせて、笠戸島の花の名所となる事でしょう。

笠戸島を椿の名所に「椿ロードプロジェクト」

瀬戸内海に細長く伸びた笠戸島は入り組んだ海岸線と海が美しい、瀬戸内海国立公園の島です。周囲約30Kmの小ぶりながら宿泊施設やハイキングコース、キャンプ場、海水浴場があり、バーベキューもできる、家族連れに人気のレジャー満載の場所とか。

レジャーだけでなく、2月下旬~3月上旬には約500本の河津桜が咲くこの島に、さらに魅力を増そうと始められたのが、椿を植樹する「椿ロードプロジェクト」でした。

始まりは島の公民館長を務めていた下松市元職員の田中三千男氏が発案し、友人でツバキを栽培・販売する「やのツバキ」(光市)の矢野芳春氏が2018年に苗木50本を下松市に寄贈したこと。以後、笠戸島を椿の名所にしようという植樹活動は続き、6年目の今年2023年には下松市職員や下松商工会議所の約10人が、キャンプ場の遊歩道にツバキの苗木50本を植え、合計で350本が植樹されました。

その笠戸島の椿を矢野氏の案内で見に行きました。

笠戸島を貫く道路・笠戸島線を走ると、鮮やかな桃色の花を咲かせた河津桜と海が見えてきます。河津桜を見ながら駐車場に入って車を降り、トリケラトプス横断歩道橋を超えて坂道の遊歩道を進むと、道に沿って植えられた椿の苗が見えてきました。今年の3月に矢野さんたちが植えた苗です。支柱が添得られ、根元は猪よけの竹で覆われて守られています。

時折階段のある坂を登り切ると笠戸島家族旅行村。椿の植栽はキャンプ場の遊歩道に続きます。まだ小さな苗ですが、2月、3月になれば綺麗な花が咲き、家族連れを楽しませてくれるでしょう。

笠戸島 案内板20230320

斜面の椿林

もう一つ紹介されたのが笠戸島を貫く道路の笠戸島線沿いの斜面にある椿林です。笠戸島大橋を渡り笠戸島線しばらく走ると道沿いに椿が植えられていました。道沿いに咲く花もありますが、海岸へ傾斜面に植えられていて気づかなければ通り過ぎてしまいます。笠戸霊場第八十八番近くの駐車場で降りて斜面を覗くと、海の方へ降ってゆく道沿いに笠戸島線に向かって斜面に多くの園芸品種の椿が植えられているのが見えました。玉霞、太郎冠者、紅妙蓮寺、永楽・・・いずれも立派に大きな木です。クズに覆われている木もありますが、懸命に枝を伸ばして花を咲かせていました。

この場所の椿について地元の矢野芳春氏に教えて頂きました。以下に矢野氏の文章を引用します。

ここの椿は、昭和60年頃下松市農林水産課が、全国緑化事業の一環として、市内の名所つくりを兼ねて、市内各地にいろんな樹木を植えたようです。その1か所として笠戸島のこの地にはツバキを植えたようです。

今から40年も前のことであり、詳細は不明ですが、聞いた話では、3年生の苗木を市が300本購入し、農林水産課の職員と森林組合とで雑木を取り除き、そこに植樹したとのことです。40年の月日が大きな木に成長させてくれていますが、植栽後ほとんど手を加えていなくて桜などと混植されており、見上げるような高さにまでなっています。

今、このツバキ林の隣が「笠戸島ハイツ」というホテルが運営されていましたが、2年前に廃業され、取り壊し作業が進んでいます。跡地に関して種々構想もあるようですが、ツバキ林が生かされるようなものになればと思います。

(矢野芳春氏の文章より)

その日は国民宿舎・大城に泊まりました。ゆったりした部屋、素晴らしいオーシャンビュー。今回は椿を見に来ましたが、いつか海を楽しみにやって来てのんびりと過ごしたいと思いました。

<訪問日:2023年3月20日(月)晴天>

データベース

【名称】笠戸島の椿ロード
【花期】2〜3月
【所在】山口県下松市笠戸島
【備考】
・問合せ:(笠戸島について)下松市産業観光課 T E L.0833-45-1841

アクセス

  • J R下松駅から防長バス笠戸島線、国民宿舎前下車 (キャンプ場まで徒歩20分)
  • J R下松駅から車で約12分
  • 車で山陽自動車道、徳山東I Cから約20分

参考文献

 

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