小室山公園つばき園

小室山つばき園入口20190217

伊豆半島の付け根近く東岸に位置する伊東市にある小室山は、海抜321m、その中腹にあるのが小室山公園つばき園です。 約1.5ヘクタールの園内に1000種類、4000本の椿が植えられています。早咲きの品種は9月末から、遅咲きの品種は5月頃まで楽しめ、「種類や花の咲く時期の長さは日本有数の椿園」と誇らしげに案内されています。

小室山公園つばき園ができた経緯

「緑と花のまち」を目指す伊東市が市民から「市の木」を公募した結果、圧倒的多数で 「椿」 が支持され、同年8月10日に伊東市制20周年を記念して椿が市の木に制定されました。

椿に決まった理由は、①伊東の気候風土に合い、病害虫にも比較的強い。 ②一般家庭でも育てやすく、観光名所づくりにも活かせる木である。 ③常緑樹であるため緑化にも役立ち、外国人にも人気がある。 だそうですが、他にも、花の少ない時期に花を付けることや、蜜を求める野鳥が集まること、椿の種からしぼる椿油は観光土産品として販売されていることなども考慮されたそうです。

伊東市の花木に 椿が 制定されたことから、市内各所で椿の植栽や苗の無料配布などが始まります。やがて1972年に市内の園芸農園家より500本の 椿の苗木が寄贈され、1982年には 近隣の椿愛好家から221本もの椿が寄贈されます。1983年に小室山公園の一部としてつばき園が誕生します。 その後も地元の鉄道会社である伊豆急行株式会社からも多数の寄贈が あり、今では関東近県屈指の椿の園になっています。

小室山山麓は、もとはといえばヤブツバキが自生していた場所。そして土地の人々はずっと椿に慣れ親しんだ生活を送ってきたのでしょう。そうした事を考えると、ここにつばき園ができたことは自然なことのように思えます。

つばき鑑賞会

毎年2月後半から3月前半にかけて小室山公園つばき園ではつばき鑑賞会が行なわれます。早咲きから遅咲きまで多彩な椿の品種があるここでは最盛期が何時とは決め難いのですが、やはりこのつばき鑑賞会の頃が一段と華やかです。つばき鑑賞会の頃に行くと、入り口でつばき園の案内図を貰えました。 裏面にはコレクションの一覧も載っていましたので、下記の「この椿園のコレクション」に品種名を掲載しました。

小室山つばき園案内図20190217
小室山つばき園案内図20190217

園内に植栽された椿は、ほぼきちんと名札を付けられており品種が分かるように管理されています。また AからZまでの立札が立てられており 、それぞれの場所でみられる椿品種を一覧化したチラシを手に、お目当ての椿があればそこに行くことも容易です。とても細やかな配慮がされている椿園です。

訪問した2月17日は天気がよく、公園の入り口では、ちょうど季節を迎えた河津桜が満開で迎えてくれました。

小室山つばき園入口20190217
小室山つばき園入口20190217

この河津桜を右手に見つつ、案内板や目印に従ってつばき園に進みます。園内の通路は良く整備されており歩きやすく、道沿いに綺麗に椿が並んで植えられているのでとても見やすいです。

数年ぶりの訪問でしたが、木の状態もよく、 花も良い時期に来られて大満足のつばき鑑賞会でした。

特に、玉霞や式部はこれまでいた中で一番というくらい綺麗に咲いているところを見ることができましたし、また太郎冠者も良く咲いていました。

あまり見た事のなかった式部がたくさん咲いているのを見られてテンションが上がります。

式部shikibu 小室山つばき園20190217_4
式部shikibu 小室山つばき園20190217_4

天ガ下の木は満開でした。白斑がはっきり出ていて赤白のコントラストが鮮やかです。

同じ御所車のはずですが、同じ1本の木に咲く花とは思えないほど様々な花容です。

太郎冠者が何本もよく咲いていました。薄色の花が空によく映えます。

咲いていた椿

<2019年2月17日>

記念樹の散り椿

散椿 小室山つばき園20190217
散椿 小室山つばき園20190217

一際大きな散椿に「全国椿サミット伊東大会記念植樹」という案内板がつけられています。 全国椿サミット伊東大会 は1994年に伊東市で開かれたので、植栽されて今年(2019年)で15年になります。ずいぶん背が高く立派に伸びました。

散椿 小室山つばき園20190217
散椿 小室山つばき園20190217

散り椿は花弁が一枚ずつばらけて、はらはらと散るタイプの椿です。こうした散性の椿はいくつかありますが八重咲きです。この花のように桃色の一色の花もありますが、白や赤の絞りが入るものは五色と呼ばれます。

つばきの館

園を入ってまっすぐ進むとつばき館があります。ここでは毎年、つばき鑑賞会の時に約200品種の一輪挿しや、水盤に浮かべた花あしらいが展示されます。土日には伊東名物ぐり茶も振る舞われますので、ぜひ立ち寄りたいところです。

小室山つばき園椿展20190217_
小室山つばき園椿展20190217

この椿園のコレクション

A付近:笑顔(えがお)、夢相花(むそうか)、崑崙黒(こんろんこく)、夕霧(ゆうぎり)、眉間尺(みけんじゃく)、春曙紅(しゅんしょっこう)、鶏の子(とりのこ)、福島百合(ふくしまゆり)、中部名月(ちゅうぶめいげつ)

B付近:白寿(はくじゅ)、伊豆羽衣(いずはごろも)、城ヶ崎紅(じょうがさきべに)、虞美人(ぐびじん)、宝專寺(ほうせんじ)、窓の月(まどのつき)、モーチアン

C付近:絞繻子(もんしゅす)、桜大臣(さくらだいじん)、王将(おうしょう)、細雪(ささめゆき)、雪月花(せつげつか)、太郎庵(たろうあん)、白澄(しらすみ)、竜田錦(たつたにしき)

D・E付近:白金魚葉椿(しろきんぎょば椿)、太郎冠者(たろうかじゃ)、眉間尺(みけんじゃく)、白唐子(しろからこ)、乙女椿(おとめつばき)、釣篝(つりかがり)、散椿(ちりつばき)、大虹(おおにじ)

F・G・H付近:後瀬山 (のちせやま)、卜判(ぼくはん)、南蛮紅(なんばんこう)、本竜寺(ほんりゅうじ)、光源氏(ひかるげんじ)、一休(いっきゅう)、朝露(あさつゆ)、紅車(べにぐるま)、伊豆日暮(いずひぐらし)、

I・K付近: 西王母(せいおうぼ)、都鳥(みやこどり)、鈴鹿の関(すずかのせき)、玉霞(たまがすみ)、吾妻絞(あづましぼり)、三浦乙女(みうらおとめ)、明石潟(あかしがた)、三笠の月(みかさのつき)、紅乙女(べにおとめ)

J付近: 京牡丹(きょうぼたん)、錦重(にしきがさね)、黒椿(くろつばき)、沖の波(おきのなみ)、源氏車(げんじぐるま)、太陽錦(たいようにしき)、黒染(くろそめ)、小紅葉(こもみじ)、五色散椿(ごしきちりつばき)

L付近: 菱唐糸(ひしからいと)、孔雀椿(くじゃくつばき)、紅妙蓮寺(べにみょうれんじ)、紀州司(きしゅうつかさ)、曙(あけぼの)、みゆき錦(みゆきにしき)、山椿の白花(やまつばきのしろばな)、宰府(さいふ)

M・N・O付近:大山(だいせん)、卜半錦(ぼくはんにしき)、白卜伴(しろぼくはん)、春の台(はるのうてな)、旭の湊(あさひのみなと)、絵姿(えすがた)、蜀江(しょっこう)、肥後京錦(ひごきょうにしき)、抜筆(ぬきふで)

P・S付近: 寂光(じゃっこう)、白玉弁天(しらたまべんてん)、繻子重(しゅすがさね)、袖隠(そでかくし)、天ヶ下(あまがした)、風鈴の谷(ふうりんのたに)、蝦夷錦(えぞにしき)、白玉(しらたま)、白西王母(しろせいおうぼ)

Q・R付近: 日の丸(ひのまる)、黒潮(くろしお)、小夜侘助(さよわびすけ)、満月(まんげつ)、紅唐子(べにからこ)、山家子(さんがし)、蓮華世界(れんげせかい)、ショーガール

T付近: このみ白(このみしろ)、細葉枝垂白ヤブ(ほそばしだれしろやぶ)、白侘助(しろわびすけ)、紅侘助(べにわびすけ)、桃侘助(ももわびすけ)、紺侘助(こんわびすけ)、尾張侘助(おわりわびすけ)、白八朔(しろはっさく)

U付近: 和歌の浦(わかのうら)、限り(かぎり)、玉手箱(たまてばこ)、加茂川(かもがわ)、花大臣(はなだいじん)、中将白(ちゅうじょうはく)、ルーラナフ、黒竜錦(こくりゅうにしき)

V付近: 医王寺(いおうじ)、中京錦(ちゅうきょうにしき)、大城冠(だいじょうかん)、トモローズドーン、ティファニー、ブリガドーン、クックハリス、ブライアン、ロゼフローラ

W付近: 近江衣(おうみごろも)、藻塩(もしお)、本阿弥(ほんあみ)、スイートハート、名月(めいげつ)、紅傘(べにがさ)、福がさね(ふくがさね)、トモロウ、所縁の色(ゆかりのいろ)

X・Y・Z付近: 磨墨(するすみ)、関戸太郎庵(せきどたろうあん)、五万石(ごまんごく)、春うらら(はるうらら)、出羽大輪(ではたいりん)、乙姫(おとひめ)、山百合(やまゆり)、古城の春(こじょのはる)、初音(はつね)

こうした管理姿勢は昔から行われているようで、1994年の全国椿サミット伊東大会の資料にもその当時の園内地図が載せられていました。

小室山公園つばき園案内図 4全国椿サミット伊東パンフ19940217より
小室山公園つばき園案内図 4全国椿サミット伊東パンフ19940217より

データベース

【名称】小室山公園つばき園
【コレクション】 1000種4000本
【花期】 9月から順次開花が始まり、1月中旬から見頃を迎え、最盛期は3月中旬〜4月上旬
【所在】〒 414-0044 静岡県伊東市川奈小室山1428
【備考】
・ 問い合わせ:小室山レストハウス TEL:0557-45-1444

アクセス

JR伊東駅より6km 車で約15分 無料駐車場あり
伊豆急行川奈駅より徒歩約20分
伊東駅より、東海バス小室山リフト行き「小室山つばき園」下車

JR・伊豆急線伊東駅から小室山リフト行きバスで約20分、小室山つばき園下車、徒歩すぐ。伊豆急川奈駅から徒歩15分

下田へ向かう国道の左手に「小室山椿園」の看版があり、椿展の時期ともなれば、のぼり旗などが賑々しく立ちます。

小室山つばき園入口20190217
小室山つばき園入口20190217

参考資料