【椿の名所】 近藤篤山旧邸の篤山椿

【椿の名所】 近藤篤山旧邸の篤山椿

椿処の伊予の古い椿の本を見ると、西条市に古木椿がよく出てきます。西条市は近藤徳山遺愛と伝わる篤山椿のある場所でもあります。一目原木を見ようと行きました。

西条市小松史跡近藤篤山旧邸

現在の愛媛県西条市小松町にあった小松藩は石高1万石という小藩でした。江戸時代後期に朱子学者である近藤徳山は7代藩主一柳頼親(ひとつやなぎよりちか)に招かれ藩士や領民の教育を担い、この地で40年を過ごしました。誠実な人柄は広く慕われ伊予聖人といわれました。篤山が住んだ武家屋敷は県指定文化財の西条市小松史跡近藤徳山旧邸として今も残ります。

その旧邸の庭にある白い一重の椿は、近藤徳山遺愛と伝わることから篤山椿と呼ばれます。

旧邸は西条市立小松温芳図書館・郷土資料館の管理下にあり、訪問時に学芸員の友澤明さんが旧邸を案内しながら熱く近藤篤山を語って下さいました。地元で篤山先生と敬愛されるのは昔も今も変わらないようです。

 

篤山椿(とくざんつばき)

庭を望む縁側に立つと、奥手に一際背の高い椿の木があります。職員の越智さんが「あれが篤山椿です」と教えて下さいました。まだ花は咲いていません。『伊予路の椿守り』には「2月下旬から開花を始め3月10日前後に満開となる」とありましたので、訪問した2月18日はまだ開花には早いのです。庭に降りることはできず遠くから眺めましたが、原木を見られて満足です。

篤山椿は、花は白の一重、筒〜ラッパ咲き、筒しべ、小〜中輪。花期は3〜4月。近藤徳山遺愛とされ、1969年植物学者の八木繁一が命名、発表、伊予5大椿に選びました。伊予つばき協会選定の伊予名花20選の一つでもあります。

後日、西条市立小松温芳図書館・郷土資料室の職員の方が写真を送って下さいました。

花弁はぽってりと厚く丸みを帯びて真っ白で縁がそり返っています。雄しべはしっかりと立派な筒しべ、図鑑などで見る花と同じです。

<2024/3/28 篤山椿>

撮影者の了解を得て写真を掲載

篤山椿 小松温芳図書館 越智友子様撮影20240328
篤山椿 小松温芳図書館 越智友子様撮影20240328(トリミング)

 

1985年発行の『伊予路の椿守り』には、幹の直径40cm、樹高4m、樹齢100年以上と書かれています。それから約40年経ち木はさらに成長しているはずです。今はどれくらいの大きさなのか、気になるところです。

庭には様々な植物が植っており、外からは白壁の塀越しに大きな椿の木も見えます。太郎冠者が満開で明るいピンク色が青空に映えていました。

<訪問日:2024年2月18日 晴天>

 

データベース

【名称】篤山椿

【花期】3〜4月

【所在】〒799-1101愛媛県西条市小松町新屋敷甲3069 史跡近藤篤山旧邸

【備考】

・営業時間:10:30~16:00,入場料:大人(高校生以上)200円

・定休日:月・火曜日(祝日の場合は開館、土・日・祝日以外の日に休館日を繰り延べ)/年末年始(12/29~1/3)/毎月末日(ただし12月は28日)

・問合せ:TEL.0898-72-6199

【公式サイト】https://www.city.saijo.ehime.jp/soshiki/syakaikyoiku/tokuzan-index.html

アクセス

・JR予讃線「いよ小松」駅下車、石鎚山方向へ徒歩10分

・自動車:松山自動車道小松インターから右折、国道11号線約15分。

参考文献

・西条市公式サイト:https://www.city.saijo.ehime.jp/soshiki/syakaikyoiku/tokuzan-index.html

・伊予観ネット:https://www.iyokannet.jp/spot/142

・最新日本のツバキ図鑑,日本ツバキ協会編,誠文堂新光社,2010

・伊予路の椿守り−愛媛の秀花−,愛媛新聞社文化部・伊予つばき同好会編集,愛媛新聞社,1985

・伊予つばき第42号,伊予つばき協会,2023

 

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