【椿の名所】朝日山真照院の椿の森

【椿の名所】朝日山真照院の椿の森

遠く瀬戸内海を望む朝日山の中腹にある真照院の本堂は、晴天ならば素晴らしい見晴らしが望めたことでしょう。しかし訪問時は雨天。少し残念にい思いつつ雨にけぶる景色から眼下に目を移すと、境内の急斜面に椿の森が広がっていて驚かされました。

朝日山真照院について

朝日山上にあった千光院、禰宜にあった真善坊と遍照寺が1899年(明治2年)に合併してできた朝日山真照院は、真善坊の真、遍照寺の照、千光院の院をとって真照院と命名されました。開山は寛平8年(896年)近江国石山寺観賢僧正の開創と伝えられ、真言秘密伝法灌頂の道場でした。1942年の火事で境内の建物を失いましたが、1963年に山口市最古の鉄筋コンクリートの本堂を完成させ、焼失を免れた本尊千手観世音菩薩を安置して今に至ります。秋穂八十八ヶ所霊場の第58番札所です。

朝日山椿園

椿友Yさんの案内で初めて聞く椿の場所を期待で胸膨らませながら訪ねたのは彼岸の中日でした。雨の中を御住職の臼井祐真氏が境内の椿を案内してくださいました。椿は、A区、B区、C区、D区の4区画に分けて植栽されているとのこと。

「まずはA地区から」と御住職に導かれて、駐車場から本堂に至る擬木の階段を登りながら左手斜面の椿を見ました。

階段沿いの椿は花の盛りを迎えていました。雨に濡れて赤やピンクと鮮やかに咲き誇る花の美しいこと。通路から離れた急斜面位まで椿が植えられていることに驚かされます。こちらは花がほとんど咲いておらず苗も少し小さめです。

急な階段を登り切ると舗装道に出ます。道沿いに赤い八重の椿が花を咲かせ、落ちた花が地面を赤く染めていました。

この椿の森が誕生したのは、山口つばき同好会から境内に椿の森を作る提案があり、会員から約280品種300本の椿が寄贈されたことによるそうです。2016年に「朝日山椿の会」が発足し、以来、造成と植栽が進められています。

品種は日本の古典品種、新しい品種、海外品種など様々ですが、「姫燈(ひめあかり)」「指月山」など山口県ゆかりの品種も見られます。

感心したのは木ごとに地区名と番号を記した品種名板を立ててあることです。また植栽品種の一覧表を完備して、植栽日や開花まできちんと記しています。これまでに開花したのは140種ほど。お茶をご馳走になりながら開花した花を撮った写真で毎年作っているアルバムを御住職に見せていただきました。

今はまだ生まれたばかりの椿の森ですが、いずれ立派な椿の森にしたいという気概を感じます。

境内は急斜面が多かったですが歩きやすい道がつけられているので見学は苦ではありませんでした。今回は雨天でもあり時間の関係で全ての場所をゆっくり見ることは叶いませんでしたが、いずれ再訪問したいと思います。晴天ならば周防灘を隔てて遠く九州、四国まで見渡せるそうですから、次は晴れの日に伺いたいものです。

見ることのできたツバキ

3月

<2023/3/21>

<訪問日:2023年3月21日(火)雨>

データベース

【名称】朝日山椿の森
【コレクション】 306本(2023年3月現在)
【所在】〒754-0893 山口県山口市秋穂二島5106
【備考】・問合せ:083-987-202
【公式サイト】http://shinshouin.net/

アクセス

  • J R新山口駅からタクシーで15分
  • J R新山口駅から防長交通バス(秋穂行き)で30分、二島小学校前下車、徒歩5分
  • 山陽自動車道、山口南ICから20分、もしくは中国自動車道、小郡ICから20分

参考資料

 

他の椿旅を見る(【椿の名所】椿旅リストへ)→

椿旅カテゴリの最新記事