【椿の名所】東行庵千本椿園 

【椿の名所】東行庵千本椿園 

高杉晋作の菩提を弔う東行庵。その3代庵主だった谷玉仙尼は椿が好きで、境内の南側には1,300本もの椿が植えられた千本椿園があります。梅、椿、桜、沙羅双樹、馬酔木、躑躅、石楠花、紫陽花、花菖蒲・・・年間で様々な花で溢れる東行庵の3月の主役は椿でした。

東行庵について

東行庵は明治維新の志士高杉晋作の菩提を弔う慰霊地で1884年(明治17)に創建されました。東行は晋作の号です。高杉の死後、得度して梅処と名乗っていた高杉の愛妾おうのは初代庵主となりました。

境内には高杉が愛した梅の木が200本植えられた梅園がありますが、他にも数多くの花が植えられて花の寺と呼ばれます。3代玉仙は椿が好きで、ことのほか椿の品種「玉の浦」を好んだといいます。

東行庵の境内の南端、奇兵隊及び諸隊士墓地のさらに奥には約1,300本の椿が植えられた千本椿園があります。

東行庵案内板 20230321

 

東行庵「千本椿園」

入り口を入ったら、東行庵の方へは行かず、すぐ右手の灯籠の間の緩やかな登り階段の道を行きます。道沿いにヤブツバキがちらほら花を咲かせています。そのままずっと奥まで進むと千本椿園です。園芸品種の椿が約1,300本集められています。木の多くは人の背丈を越えており、密生して葉を生い茂らせていました。

すでに終わった花期が過ぎた品種もあれば今を盛りと咲き誇る品種もあり、多種多様な品種が植えられていることがわかります。

千本椿園の名板がありますが、案内板や品種名板などは見当たりませんでしたので、これは紺侘助、紅唐子、葉から見て錦魚葉椿だな、こっちは玉垂かな、などと品種当てをしながら歩きました。

駐車場付近にに新たに椿が植えられているところもあり、椿園は拡張中のようです。

園内は歩道が整備されており、雨の日でしたので、ややぬかるむ程度で歩くことができ助かりました。

東行庵ゆかりの品種「玉仙」

千本椿園は椿が好きだった第3代玉仙庵主(1920~1989)の33回忌記念事業の一環として整備されたそうです。玉泉さんは自分の名と同じ「玉」の字を持つ「玉之浦」を特に好んだそうですが、生前に親交があった園芸家の木本豊彦さんが玉之浦の自然実生から生まれた新品種に「玉仙(ぎょくせん)」と名付けて2021年に発表しました。折しも33回忌の年にあたり良い供養になったのではないでしょうか。

玉仙は、花が紅色に白覆輪の八重咲き、花の直径が10cmくらいの花だそうです。2020年に日本ツバキ協会認定品種91号として登録されています。

東行庵にゆかりの品種の椿は、第3駐車場のすぐそばに新設された新花壇に植えられていました。

他にも駐車場付近の苗木には、「優心白」日本ツバキ協会認定品種1号、「山本紫」日本ツバキ協会認定品種6号、「赤間手鞠」日本ツバキ協会認定品種80号)など、山口県で作出された椿の新花が名版を添えて植えられています。まだ苗木で花を見ることは叶いませんでしたが、いつの日かこの場所で花を見たいものです。

花の寺東行庵には、夏椿(沙羅双樹)が庵の玄関前で6月頃に花を咲かせ、山茶花が東行池を中心に約100本植えられており、11月下旬の最盛期にはサザンカ・ツバキ祭りも開催されるそうです。

<訪問日:2023年3月21日(火)雨>

データベース

【名称】曹洞宗清水山東行庵(せいすいざんとうぎょうあん)の千本椿園
【コレクション】約1,300本
【花期】2月中旬〜3月
【所在】〒750-1101下関市吉田町1184
【備考】
・営業時間:午前時~午後時、入園料無料
・定休日:年末年始
・問合せ:TEL .083-284-0211
【公式サイト】https://www.tougyouan.jp/

アクセス

  • JR小月駅よりサンデンバス秋芳洞方面行きバス「東行庵入口」下車、徒歩8分
  • 山陽新幹線「新下関」駅で下車、タクシーで20km(25分)
  • 中国自動車道「小月」インターより美祢方面へ5km(5分)、「美祢西」インターから小月方面へ10km、山陽道「埴生」インターから吉田方面へ7km。

参考文献

 

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