【椿の名所】八重垣神社の三つの夫婦椿

天つ神である素盞嗚尊と地つ神である稲田姫命が結ばれた地で、この二柱を主祭神とする八重垣神社。その八重垣神社にふさわしく、ここには「連理玉椿」「乙女椿」「子宝椿」の名を持つ3本の夫婦椿があります。

「八雲立つ 出雲八重垣 妻込めに 八重垣造る その八重垣を」

素盞嗚尊(スサノヲノミコト)が八岐大蛇を御退治して稲田姫(イナタヒメノミコト)を妻に迎えた時の歓びを歌ったとされるこの歌。八重垣神社というと、私はこの「八雲立つ」という言葉と情景が目に浮かびます。雲が幾重にも重なって湧き立つ様を示す「八雲立つ」は「出雲」に掛かる枕詞です。

素盞嗚尊は八重垣神社境内奥の佐久佐女の森の大杉の周囲に、八岐大蛇から稲田姫命を守るための八つの垣根「八重垣」(大垣、中垣、万垣、西垣、万定垣、北垣、袖垣、秘弥垣)を作って隠したと言います。八重垣神社は素盞鳴尊と稲田姫命の夫婦神を祭神とすることから良縁のご利益があると若い女性に人気ですが、さらにこの森の中にある「鏡の池」も縁結び占いで女性に人気です。

ロマンス溢れる八重垣神社ですが、鳥居の前に立つ「連理玉椿」もまたロマンチックな逸話のある椿の巨木です。石垣に囲われて数段の石段を登ったところに立つ連理玉椿は堂々たる風情です。

八重垣神社の連理玉椿

樹形は丸みをおびた傘型で南側の樹勢が強く、北側はあまり枝が広がっていないようです。目通り160cm、推定樹齢400年(「Japan Camellia」No.30より)

根元から見上げると四方に枝をくねらせるようにして伸ばしています。

案内板によると連理玉椿は、その昔、稲田姫命が二本の椿を地面に立てたところ芽吹き出し、地上で一体となったことから、夫婦の契りの象徴として神聖視されるようになったとあります。

木だけでなく葉にも連理性が見られるとあります。葉の連理性とは、葉脈が中程から二股に分かれて葉の先が二つになった形、ちょうどハート型のような形です。残念ながら私は見つけることができませんでしたが、年によってはハート型のような二葉の葉も現れるそうで、夫婦愛の聖地として逸話に事欠きません。

夫婦椿とは、元は2本の木だった椿がくっついて1本の木になるものです。境内には時折こうした夫婦椿が生じることがあるとのことです。他に「子宝椿」「乙女椿」の2つがあります。

「子宝椿」は背丈ほどの高さで2本の木が合着した椿です。鏡の池付近にあります。

「乙女椿」は地面から数十センチの低い位置で一方が他方を支えるように付いています。拝殿の左側にあります。

<訪問日:2018年3月11日晴天>

データベース

【名称】八重垣神社 連理玉椿、乙女椿、子宝椿
【大きさ・形状】目通り160cm
【樹齢】約400年
【花、葉】一重赤ヤブ
【花期】3〜4月頃
【所在】〒690-0035  島根県松江市佐草町227
【備考】
・拝観:9:00~17:00、無休
・問合せ:0852-21-1148
【公式サイト】https://yaegakijinja.or.jp/

アクセス

  • JR松江駅から市営バス(八重垣神社方面行/4番乗り場)で約20分、八重垣神社下車
  • 山陰道(松江道)松江中央ICより約6分

参考文献