炉開き(ろびらき)

炉開き(ろびらき)

Camellia  ‘Robiraki’

花は淡桃~桃色、一重、平開咲き、茶しべ、極小輪。9~4月頃咲く。葉は、長楕円形、小形。樹形は叢性、樹勢は強い。枝葉は密生する。

ユキツバキ(Camellia rusticana )とチャ(Camellia sinensis)の自然雑種。1972年頃新潟県栃尾市の民家より甲政治が採集し1980年加藤英世が命名・発表した。冷夏で蕾の生育が進むと8月末から開花する年もある。産地は新潟。

炉開き
炉開き
炉開 椿花ガーデン20181113
炉開 椿花ガーデン20181113
炉開き 椿ガーデン20171106

木偏に春と書く椿の、花がもっともよく咲くのは3月頃。けれど椿の花を待ちわびる人は秋の気配がする頃に咲くこの花を珍重したのでしょう。
「炉開き」というツバキの名は茶道で風炉から炉の季節に変わるこの時期にちなんだもの。ユキツバキとチャの自然交雑といわれます。通常、ユキツバキの開花時期は4月~5月、チャの開花時期は10月~12月なので、この花の誕生は奇跡に思えます。

ところで由来については2003年に田中淳一氏らがDNAマーカーによる解析の結果として、種子親がヤブツバキ、花粉親がチャであると発表しています。
どちらが正しいのか?
いずれにせよ一方の起源をチャに持つ種間雑種であるようです。

<引用・参考文献>
・最新日本ツバキ図鑑,日本ツバキ協会,成文堂新光社,2010
・色分け花図鑑 椿,桐野秋豊,学研,2005
・ツバキ演芸品種炉開き’が種子親ヤブツバキ(Camellia rusticana )X花粉親チャ(Camellia sinensis)の種間交雑種であることのRAPDおよびSSRマーカーによる確認とチャ育種への利用の可能性,中淳一ほか,育種学研究5,2003 
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsbbr/5/4/5_4_149/_pdf

<撮影場所>
椿花ガーデン

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