乙女椿(おとめつばき)

Camellia ‘Otome-tsubaki’

花は淡桃色、完全な千重、中輪。やや抱え咲きから満開して正型の花形となる。開花は3〜4月が多いが12月にも花をつける。花はなかなか落下しないため褐色に変色した花が枝に残っていることがよくある。葉形はやや淡緑色、楕円、中形、平坦で美しい。若い葉柄は有毛で、ユキツバキ系。樹形は整った楕円形、主幹は根元から枝分かれし、枝は密に茂る。

北陸地方に類似品が多いことから、植物学者の津山尚博士は、その改良型が江戸に持ち込まれたものと考えている。(『色分け花図鑑 椿』)

江戸時代末期に作出されたとされ、『本草図譜』(1829)に載る。アメリカには1911年(明治44年)に清野主によって紹介された。

繁殖は挿し木で活着しやすい。特に軽い火山灰土に良く育つ。粘質土は根群が密なので生育しにくい。植栽には砂質または火山灰土が適する。潮風にもやや耐える。関東では生育がよく強健なので接ぎ木の台木にされたり鉢物、生垣、庭木に多用された。園芸品種として一般的なツバキの品種の一つ。

乙女椿20181124

英語で‘Pink Perfection’と呼ばれ、日本でも海外でも人気が高い乙女椿。花は盛りを過ぎてもなかなか落下しないので、放置され褐色に変色した花が枝に残ってしまう。見苦しいので、できれば咲き終えたら花殻を取り除く方がきれい。

<引用・参考文献>
・最新 日本ツバキ図鑑,日本ツバキ協会,成文堂新光社,2010
・色分け花図鑑 椿,桐野秋豊,学研,2005
・現代椿集,日本ツバキ協会,講談社,1972

<撮影場所>
・東京都町田市
・東京都品川区