茶は南方の嘉木なり

チャノキの花

お茶の花が咲いています。
10月から12月にかけてのこの時期、小ぶりで白い花を咲かせます。たっぷり黄色い花粉が付いた雄しべはふさふさのボンボンのようで、それを綿ぼうしのように白い花びらがふんわり抱えている様は、なんとも可愛らしい。
蕾も丸い形をしており、ついでに同じ頃に実る茶の実もまん丸で、ギザギザの鋸歯のある葉っぱの合間に、丸い花と蕾と実がちょこちょこと顔を出しているのです。まるでかくれんぼをする子供のようです。
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都立大島高校 ジェニファー氏の講演

 ジェニファー・トレハン氏は椿愛好家の国際団体である国際ツバキ協会(International Camellia Society,ICS)の前理事であり、園芸家、作家、イギリス王立園芸協会(RHS)椿専門委員を務める方。今回、はるばるイギリスから来日したのは、椿をはじめとする大島の文化について取材し、英国王立園芸協会「The Garden」10月号の記事にするためです。来島に併せて、伊豆大島の都立大島高校で記念講演が行われました。
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炉開き(ろびらき)

Robiraki

花:淡桃〜桃色、一重、平開咲き、茶しべ、極小輪。9〜4月頃咲く。
葉:長楕円形、小形。
樹:叢性、強い。枝葉密生。

ユキツバキとチャの自然雑種。新潟県栃尾市の民家より甲政治が採集、1980年加藤英世が命名・発表。産地は新潟。

炉開き
炉開き

木偏に春と書く椿の、花がもっともよく咲くのは3月頃。けれど椿の花を待ちわびる人は秋の気配がする頃に咲くこの花を珍重したのでしょう。
「炉開き」というツバキの名は茶の湯で風炉から炉の季節に変わるこの時期にちなんだもの。ユキツバキとチャの自然交雑といわれます。通常、ユキツバキの開花時期は4月~5月、チャの開花時期は10月~12月なので、この花の誕生は奇跡に思えます。

ところで由来については2003年に田中淳一氏らがDNAマーカーによる解析の結果として、種子親がヤブツバキ、花粉親がチャであると発表しています。
どちらが正しいのか?
いずれにせよ一方の起源をチャに持つ種間雑種であるようです。

参考:最新日本ツバキ図鑑,日本ツバキ協会,2010
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsbbr/5/4/5_4_149/_pdf

黒猫と椿のブックカバー

黒猫と椿のブックカバー

なぜに椿の花と描かれる猫は黒猫なのでしょう?

でもこの図案を見れば納得してしまう。友人がプレゼントしてくれた黒猫と椿柄のブックカバーは可愛いらしく、手になじんで使いやすく、お気に入りです。

椿柄がまぐち

からんころん京都の椿柄のがま口。

ころんとした形に、カラフルで愛らしい椿の絵柄。ひと目ぼれです。

椿という文化

「巨勢山の つらつら椿 つらつらに 見つつ偲はな 巨勢の春野を」
そう坂門人足に歌われた万葉の時代から、椿は人々の心に語りかける何かをもつ木でした。
この国の風土に深く根ざした椿は、私たちの生活に溶け込んで多様な文化を形成しました。華麗な園芸品種の花々、椿油、各地にある古木や名椿、椿にまつわる逸話や伝承、茶の湯で愛される花、絵画や工芸品のモチーフ、椿の炭・・・。
椿は今、世界中で愛される花となりましたが、ここ日本では、椿という文化をより深くより広く体験できます。
美しく、奥深く、多彩で魅力的な椿の世界。
これからも椿という文化を楽しみたいと思っています。